【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)

三十二

 さっき、街で会ったアルベルトの話になる。

「エルモがファーレズ国の元公爵令嬢だとはわかった。じゃあー街で会った、あの、いけすかないアルベルトという男は誰だ?」

 グルの表情が苦虫をかみつぶしたような顔に変わる。彼もまたエルモと同じでアルベルトが嫌な様子。簡単にアルベルトの説明をすると彼は乙女ゲームの攻略対象……そんなこと、もちろんグルには言えない。

「えっと、あの人は同じ学園にいて王子の学友なの。接点があまりなかったから、彼がサーティーア国の出身なんて知らなかったわ」

「そうなのか……」

 コクリと頷く。王子以外の攻略対象は学園の中だけの物語だったから、彼の故郷の話もゲームの中に説明はなかった――もしかするとリリアがアルベルトを選んだとき、攻略の本、私が遊べなかったファンディスクにはでていたかもしれないけど。

「その彼が学友だった王子から手紙がきたと言っていたわ。手紙の内容まではわからないけど……私が"捕まる"とか、去り際に俺だったら"あいつ"から守れるといわれたの。それが何を意味するかまではわからない」

 いや、なんとなく意味はわかっているけど……考えたくないだけ。

「エルモ……アルベルトがいった"アイツ"が王子をさすのだったら……自分の都合だけで婚約破棄をしたくせに。何かの理由で、エルモを捕まえようとしているのかもな」
< 104 / 179 >

この作品をシェア

pagetop