【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)

五十四

 いま、ファーレズでポーションの材料などが不足している。

「だったら、ポーション、薬草を必要な人たちはどうしているのかしら?」

「どうしているかって。多分、うえは冒険者、国民には公表していない。もし、ポーション、薬草不足だとわかれば、いろんな国の冒険者がこぞって売りにくるよな」

「各国のポーションがファーレズに集まる……価格変動がおきる?」

「まあ、くわしいことまではわからないが……大変なことが起こるな」

 大変なこと……考え込む、エルモをグレが覗き込み。

「だが、エルモちゃん! オレ達は平民だ。そんなことは上がしっかりやるよ」

「あっ」

 そうだ、私はもうサーティーアに住む平民。ファーレズのことは王族ーー国王、王妃、エルドラッド殿下、リリアさんがなんとかするだろう。

「エルモが、深く考えなくていい」
「そうだね」

 いまは毒草を消して、はやくこんなことを終わらせて、みんなで家に帰りたい。
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