【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)

二十五

 小さな女の子はグレの周りを飛び。プンプン、文句を言いはじめる。

「せっかくさぁ~気持ちよーく、日向ぼっこをしてお昼寝していたのにぃ~白ちゃんはなんの用なの様よ」

「今日はオレじゃ無い、こっちだ」

 グレはグルとエルモを短い前足で指差すと、真っ白なフワフワなドレス、真っ白な髪に赤い花をつけた小さな女の子はエルモを見て、赤い瞳をまん丸にした。

「白ちゃん……あなたはまだ懲りて無いの~! その子、人間じゃない~、あの時――森の大精霊様に怒らせて懲りたでしょう!」

「だから、その子はオレのじゃない。グルのだよ」

「はぁ~っ、え、黒ちゃんにいい人ができたの? ええ! だから、シルフ村を好きな黒ちゃんが見回りのあと、すぐに帰っていったのね」

 へぇ。黒ちゃんが。やるじゃない。パタパタと、グルの周りを飛ぶ。

「別にいいだろう!」

 グルがやめろと言っても小さな女の子は話を聞かず。グルをとエルモの周りを小さな羽を羽ばたかせて、楽しそうにクルクルと飛んだ。
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