ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約
第4章 和真ついに本気を出す!はずだった!?糸島デート

小学校

この日はひなこは小学校のバイトに来ていた。いつもいる佳音は今日は大学の講義を受けており、休みで、ひなこ一人だった。

ひなこは相変わらず来ない返信をしきりに気にしていた。その様子を見かねた、いつも話す仲の良い先生が「どうしたの?」とニヤニヤしながら話しかけてきた。この先生は10年間中国におり、そこら辺の人とは違う感性を持っており、ひなこはとても懐いていた。いつも何か相談事があるとこの先生に相談しては解決してもらっていた。

「先生聞いてください」と言うと、いつものご意見番のような顔をして、「どうせ恋愛の話でしょ?」と訳知り顔で言った。

そして、「予定を立てるとき、もし自分の予定が分からなかったら、とりあえず何か返信をしますか?それとも予定が分かったら返信をしますか?」とひなこは聞いた。

先生は腕組みをし、「私は返信するかな」と言った。ひなこは「そうですよねぇ」と言うと、先生は付け加えて、「だけどそれが恋愛ならあえてしない」と言った。「え?」とひなこは言うが、先生曰く、「恋愛はイニシアチブを取らないといけない、つまり主導権を握り、ぎりぎりまで期待させとくのがコツだ」と言われた。

しかしひなこは「今回のパターンは逆ですよ」と言うと、「あんた手の上で転がされてそうだよね」と図星なことを言われ、さすが相談役と思った。渋々、「なら、待ってても埒があかないので、追いLINEします」と言った。

それから小日向さんにLINEをしようとするが、何も送れず、苦し紛れに美織に連絡した。すると、早速返信が来て、「まかせて」と言うので、任せておいた。

しばらくすると、なんとあんなに来なかった小日向さんのLINEがいとも簡単に来たので、ひなこはさすが美織だと思った。

内容は、「美織さんの結婚式に全力を傾けてください」という、意味の分からないものだった。ひなこは、「なんで返信してくれないんですか?」と若干怒り気味で送ると、「いやすっかり忘れていました」といかにもな呑気なLINEが来た。

ひなこは「いやおこですよ」「だいぶ」と可愛く怒ると、小日向さんは「こわ」と返信してきた。ひなこは負けじと、「だって返してくれないんだもん」「美織には即レスなのに」と言うと、「してないわ」「同時に返してますやん」と言うので、「美織がしてるって言ってたもーん」「まあ確かに」と言った。そして、「私が先がいい」と言うと、「落ち着け」と言うので、「落ち着いてる」「とても」「私は小日向さんに会いたいだけだもん」と言った。

すると、「僕より東畑大吾さんに会いに行ってください」と来たので、「なんでそんなこと言うんですか?」「私嫌われてるんですか」とメンヘラなことを言ってみた。小日向さんはすぐに「別に普通」と送ってきたので、「嬉しいような悲しいような」「んなら返信返してくださいよ」とさらに送ると、「忘れてただけなんで」とあくまで最初のスタンスを変えなかった。そして、「まだ出張終わってなくてこれからお仕事なんで失礼しますよ!」と感じの良いLINEが来たので、「わかりました」「がんばってくださーい!」と同じテンションで返した。その日のLINEはそれで終わった。
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