3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
『条件➁ お互いの生活に干渉しない』
  六時になると設定しておいたスマホのアラームが鳴り、その音で目が覚めた。手探りでベッドサイドにあるスマホを探して音を止める。
 広すぎるダブルベッドにひとりで寝ることにも、一カ月過ぎた今は慣れてきた。でも……。

 ベッドから降りてカーテンを開けると、都内の景色が眼下に広がり苦笑いしてしまう。

「まだこの高層階に住んでいることには、なかなか慣れないな」

 私と理人さんの新居は病院からも近いタワーマンションの最上階。セキュリティは万全で二十四時間常駐のコンシェルジュもいる。

 地下道でスーパーやショッピングモールにも繋がっていて、買い物には困らない。マンション内にはクリニックや歯医者、それにジムもあって以前の暮らしとの雲泥の差にも、いまだに慣れていなかった。

 寝室のドアを開けて廊下に出ると、シンと静まり返っている。どうやら昨夜も帰ってこなかったようだ。
 廊下を突き進み、三十畳あるリビングダイニングに入る。

「朝ごはんはなににしようかな」と、独り言を呟きながら冷蔵庫の中を確認した。

 一応食材はそれなりに揃っているけれど、どれもひとり分だけ。食材だけじゃない、生活用品すべてだ。
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