片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。

お見合い相手



「……え、」


 なんで橘花と、社長が?


「はじめまして、醍醐社長」


 橘花は、お父さんに向かって普通に話し出した。まるで商談のように……まさか、私に気づいてない? 確かに、今日の私は普段とは全然違うもんね。

 久しぶりの令嬢モードだし。


「心茉、お前も挨拶しなさい」

「はい」


 うーん、こういう場合は『いつもお世話になってます』的なこと行ったほうがいいよね?


「初めまして、娘の心茉でございます。……いつもお世話になっております、橘社長。橘花本部長」

「……っえ、醍醐!?」


 今更気づいたのね……もしかしてこのお見合い断ろうとしていたのかなぁ。そう思うくらい驚いている。


「知っているのかい? 心茉」

「はい、私が就職した会社なので。それに私はこの会社の娘と言ったことはありません」

「そうか」


 お父さんがそう呟くと今度は社長が声をかけてきた。



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