もっと求めて、欲しがって、お嬢様。
おまけ





「あの、その節は本当にいろいろありがとうございました」


「…まさかSランクを蹴るとはな」


「びっくりだよね。勿体ないことしちゃってさあ碇くん」


「はは、俺はまだまだですから」



たまにやってくる、執事にプライベートが与えられる日。


私服姿の俺───碇 章太郎は、同じようにタキシードを取った早瀬 真冬(はやせ まふゆ)と。

早乙女財閥の御曹司である、早乙女 燐(さおとめ りん)を呼び出していた。



「…だが、お前はそういうところが良いんだろうな」


「へ…?」


「実際は俺より年上なんだから今くらいは敬語外してもいいってのに。それか、俺が敬語にしましょうか碇さん」


「え、そうだったの?碇くん俺たちより年上?それはそれは失礼しました、碇さん」


「ちょっ、そんなのやめてください…!!早瀬さんも早乙女さんも今のままでっ!!」



早瀬さんと早乙女さんの歳は同じ。

実は年齢で言えば彼らは俺のひとつ年下なのだが、エリートSランク執事と早乙女財閥の御曹司。


そんなの俺が敬語を使わない理由がないわけで。



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