干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~

テレパシー

「やっぱりスペースが意外となかったですね……」

 美琴は撮影してきた写真を眺めながら、副社長室のソファにどさっと腰をかける。


 森山さんのカフェレストランは、テーブル席5台にカウンター6席というこじんまりした印象だった。

 通路は二人がやっとすれ違えるくらいの狭さで、当然大きなディスプレイはできない。


「森山さんの希望は『一歩入った瞬間に緑を感じるデザイン』でしたよね?」

 副社長は美琴の向かいに腰かける。

「でもそれって難しくないですか? 目につくようにグリーンを置こうにも、大きな鉢は置けないし」

 美琴は写真を見ながら首を振った。


 副社長は、室内全体が映るように遠目に撮影した写真を手に取り、しばらくじっと動かない。
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