干物のミカタ ～副社長！ 今日から私はあなたの味方です！～

星空の誓い

　渓谷から30分程移動した所で、俊介は車を停車させた。

　森の中を切り開いたような場所に、ウッド調でガラス張りのおしゃれな建物が見える。

　フロントと思われる場所で俊介が声をかけると、「お待ちしておりました」と女性が丁寧にお辞儀をして先を案内してくれた。


　何も聞かされていない美琴が首を傾げながら建物の外に出ると、目の前に広がる光景に思わず「わぁ」と声が漏れる。

　そこは、湖を囲むように様々なデザインのテントが点々と設置されているグランピング施設だった。


　大きなテントの前には一つ一つにプライベートガーデンがついており、目の前に広がる青々とした湖を独り占めした気分だ。

　ゆっくりと足を踏みしめて歩くと、高い木の間からは柔らかい木漏れ日が差し込んでいる。

　いくつか並ぶ内の一つ、三角の大型テントに案内されると、美琴は圧倒されたままふかふかのソファに沈み込んだ。

　案内の女性が丁寧にお辞儀をし扉が閉まった途端、美琴は俊介を振り返った。