御曹司の溺愛から逃げられません

エピローグ

頭を撫でる優しい手に、いつまでもこうしていたいと私は擦り寄るようにその手に近づこうとしたところでハッとした。
ガバッと起き上がると瑛太さんがベッドで横になっていた。

「香澄、おはよう」

そう言うと同時に彼に手を引かれ、また腕の中へと戻された。
頭が働かないで混乱していると、彼は私の髪をすくように指を入れていた。

「あ、髪の毛洗ってない」

その素っ頓狂な反応に彼はクスクスと笑い始めた。

「気にするのそこ？？　可愛すぎるだろ」

そう言うと額にキスを落としてきた。

「待ってて」

彼は短パン姿でベッドから起き上がるとドアから出て行ってしまった。
ハッとして私の姿を確認すると、彼のものと思われる大きなTシャツを着せられていた。

瑛太さんが着せてくれたんだ……。
彼の匂いがするTシャツが昨日の夜を思い出させ顔が火照る。
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