溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
13、ふたりきりの幸福時間


 いよいよ厚手のコートが必要になってくる十二月中旬。

 私は順調にマタニティライフを過ごし、今月妊娠六カ月を迎えた。

 先月からやっと安定期に入り、とりあえずひと安心することができた。

 もちろん無理は禁物だけど、妊娠したての頃よりは体も心もゆとりが出てきたと思っている。

 両家の親にも先日妊娠の報告をし、どちらもものすごく喜んでくれていた。まだ四カ月は先なのに、孫の誕生を心待ちにしてくれている。

 漣さんを通じて菜々恵さんにも妊娠の話が届いたらしく、わざわざお祝いのメッセージを送ってくれた。

 なにか協力できることがあれば気軽に連絡してほしいと気遣いの言葉をかけてもらい、その優しさが嬉しくてほっこりした。

 周囲に祝福されて、お腹の子は着々と大きく成長してきている。

 五カ月を過ぎたあたりからお腹の膨らみは目立つようになってきて、もう服もマタニティウェアやゆとりのあるデザインのものでないとお腹が苦しい。

 いよいよひと見で妊婦とわかるような体型になってきて、鏡を見るたびに新しい命を迎えられる喜びを実感している。

 前回の妊婦健診で、次回には性別がわかるかもしれないと言われて、今からわくわくしている。

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