溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
14、彼女と天使を迎えるために Side Kouta


 ぽっこりと膨らんだ白くきめ細やかな肌に、検査用のゼリーが塗られていく。

 横になっている千尋はすでに自分の頭の横にあるモニター画面に釘づけだ。

 十二月下旬。千尋は年内最後の妊婦検診で病院を訪れている。

 今日はタイミングが合ったため、検診に同席している。


「では、見ていきますね」


 産科の主治医が、腹部の上からプローブを当てて超音波検査を行う。

 画面にはお腹の中の胎児が写し出され、その様子につい見入っていた。


「あ、今日は前回とはまた違った格好してますね。測っていきましょう」


 主治医が様々な角度から経腹法を行い、胎児のサイズを計測していく。

 その途中で、おや?と思うものが映し出された。


 これは、多分……。


「先生、あの、今日はどちらかわかりそうですか?」


 千尋は今か今かという雰囲気を漂わせ、主治医に質問をする。

 主治医が「院長?」と、俺へ確認を取るようにこちらに視線を送る。小さく頷くと、主治医は千尋へと目を向けた。

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