※追加更新終了【短編集】恋人になってくれませんか?
それにしても、薄々気づいてはいたけど間違いない。
この男、ドSだ。
人を痛めつけて、虐めて楽しむ、真性のサディスト。
まぁ、今のところあたしへの実害は殆ど無いし、良いのだけれど……。
「ときにアイナ。先程、トミーの頬に口づけまでしたのは、少々やりすぎではないか?」
「は? やりすぎ? だけど、本気を出せって言ったのはダミアンでしょう?」
何よ、それ。あたしだって本当はキスなんてしたくなかったし。
だけど、ダミアンが『愛に溺れさせろ』とか『全力で愛を叫ばせろ』とか言うからああしたわけで。
「しろ」
「は? 何を?」
「俺の頬にも口づけろ」
「は⁉」
全く! 何を言い出すかと思えば、口づけろですって⁉ この男に⁉
「なんであたしが」
「なんで、じゃない。元よりお前は俺のものだ。拒否権はない。しろ」
ダミアンはそう言うと、あたしを無理やり彼の膝の上に座らせた。
腹が立つほど美しい白い肌に、彫刻みたいに整った高い鼻。形の良い薄い唇を見下ろしてから、彼の明るい緑色の瞳を見つめる。
その瞬間、胸の奥が熱く疼くような感覚がして、あたしは静かに息を呑んだ。
「早くしろ」
「――――分かってるわよ」
この男、ドSだ。
人を痛めつけて、虐めて楽しむ、真性のサディスト。
まぁ、今のところあたしへの実害は殆ど無いし、良いのだけれど……。
「ときにアイナ。先程、トミーの頬に口づけまでしたのは、少々やりすぎではないか?」
「は? やりすぎ? だけど、本気を出せって言ったのはダミアンでしょう?」
何よ、それ。あたしだって本当はキスなんてしたくなかったし。
だけど、ダミアンが『愛に溺れさせろ』とか『全力で愛を叫ばせろ』とか言うからああしたわけで。
「しろ」
「は? 何を?」
「俺の頬にも口づけろ」
「は⁉」
全く! 何を言い出すかと思えば、口づけろですって⁉ この男に⁉
「なんであたしが」
「なんで、じゃない。元よりお前は俺のものだ。拒否権はない。しろ」
ダミアンはそう言うと、あたしを無理やり彼の膝の上に座らせた。
腹が立つほど美しい白い肌に、彫刻みたいに整った高い鼻。形の良い薄い唇を見下ろしてから、彼の明るい緑色の瞳を見つめる。
その瞬間、胸の奥が熱く疼くような感覚がして、あたしは静かに息を呑んだ。
「早くしろ」
「――――分かってるわよ」