※追加更新終了【短編集】恋人になってくれませんか?
「外堀なんて埋めなくて結構! 合理性だって要らない。そんなもの、何一つ求めていないわ!
必要なものは唯一つ――――あんたの愛情だけよ!
跪きなさい! 傅きなさい! ダミアン――――あたしのことが欲しいなら、全力で愛を叫びなさい!」


 ダミアンは瞬き一つしないまま、あたしのことを見つめていた。

 緊張と興奮で身体が震える。
 ダミアンはなんて言うだろう――――そう思ったのも束の間、彼は口の端を綻ばせ、恭しく跪いた。


「良いだろう、アイナ。よく覚えておけ。
この俺にこんなことをさせられる女は、未来永劫お前だけだ。
俺はお前の愛が欲しい! 心が、身体が、全てが欲しい!
俺の全てはお前のものだ。全部全部くれてやる。
だから――――俺と結婚してほしい」


 ダミアンは縋るようにしてあたしの手を握り、熱く甘やかに唇を寄せる。
 胸が、身体が燃えるように熱かった。


「知ってる。あたしもあんたが――――ダミアンが欲しい」


 あたし達は微笑みあい、噛みつくようなキスをする。

 あたしの旦那様は悪魔で、ドSで。
 だけど、声高に愛を叫んでくれる――――そんな最高の男性だ。


(END)
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