国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
18.解放の儀式
「では、これから会えなくなる分、しっかりとあなたを刻ませていただきます」
 言いたいことを言い終えたからか、クリスはフローラの胸元に顔を寄せた。上から三つ、ボタンが外されたブラウスからは、フローラの豊かな谷間が覗いている。クリスはそこに顔を埋めた。
「ひっ……、ちょ、クリス様」
 何か不満でも、という表情をしながらクリスは顔をあげた。そして、しっかりとその言葉を口にする。
「何か、不満でも?」
「その、ここでは、少し、その、場所を変えていただきたいのですが」
 フローラの言葉を聞いたクリスは、驚いたようにその茶色の目を大きく見開いてから、柔らかく笑む。その笑みは、嬉しさに溢れている。
「では、場所を変えましょう」
 言うと、クリスはフローラを軽々と持ち上げた。騎士のように鍛えられているわけではないはずなのに、やはりフローラより力があることを、実感してしまう。
 フローラが連れていかれた場所は、もちろんクリスの寝台だった。
 彼はその上にフローラをゆっくりと横たえると、自分が着ているシャツを勢いよく脱いだ。そしてもどかしそうに彼女のブラウスに手をかけ、それをしゅるりと脱がす。さらに、履いていたロングスカートもするっと下から剥ぎ取る。あっという間に、フローラは全ての衣類を奪い去られてしまった。彼女を隠すものは何も無い。一糸纏わぬ姿。
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