国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
後日談②:その後の二人
「その結果。アダム・パターソン、シャーラン・スミス。君たちの組み合わせが相性率95パーセントという驚異の数値を叩き出した」
 国王のその言葉を耳にした時、シャーランは驚いて隣に座る男性に視線を向けた。
 アダム・パターソン。騎士団の団長を務める男だ。茶色の髪はふかふかとしていて、実家で飼っている猫を思い出させる。青い瞳も力強く、男らしさを感じる。
(ありかもしれない……)
 シャーランは微かに期待を寄せていた。心の中では盛大に。だが、それを声に出すことはできない。
「いや、あり得ないだろう」
 だが、残念なことにシャーランの期待とは正反対の声があがった。
「どこからどう見ても、彼女は、若い」
「私は、二十四になったところです……。どちらかというと、行き遅れです……」
 この国の女性は、二十歳前後で結婚する者が多い。二十代後半になりかけているシャーランは行き遅れと言われても仕方のない年齢なのだ。
 語尾が消え入るように、シャーランは口にした。彼女の喋り方は、いつもおどおどしていると言われている。さらに行き遅れが、それに拍車をかけた。
「そうか。俺から見たら充分に若い」
 そう言われてしまうと、彼の年が気になった。
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