ひとりぼっちのさくらんぼ
第四話
土曜日。
お昼には少し早い時間。
お姉さんはオシャレして。
市原さんとの待ち合わせ場所である、駅前に立っている。
もちろん、あたしもついて来た。
「J Kちゃん、私、変じゃないかな?この恰好で大丈夫かな?」
「大丈夫だよ、ふたりで頑張ったじゃん」
「えー、でも、でもさー」
「今、こうしてあたしと話してることが、変だよ。周りからはお姉さん、大きな独り言を言ってる人になるんだからね」
「……そっか、うん……、でも、緊張する」
お姉さんはひとり、深呼吸をしている。
そんなふうに緊張と不安の時間が六〜七分続いたあと、お姉さんのスマートフォンが振動した。
「……市原くんだっ」
「お姉さん、電話、出て!」
「あ、うん!」
お姉さんはスマートフォンを耳に当てる。
「……もしもし?」
あたしにも聞こえるように、お姉さんの持つスマートフォンに耳を近づける。