離婚旅行 〜俺様脳外科医は契約結婚した妻を囲い込みたい〜
12章『離婚旅行 5日目①』

「んっ……」

 ゆっくり目を開けると、外はすっかり明るくなっていた。
 途中、明るくなり始めた空を見た気はしたけど……。

 それくらいずっと彼は私を抱き続けたし、私だってそんな彼に応え続けた。
 数え切れないくらい一晩で抱き合っていても、まだこうしていたいと温かな腕の中で考えてしまう。

「朝……ですね」
「あぁ。……昨夜は俺が勝手に嫉妬して、香澄に無理をさせてすまなかった」

 はっきり嫉妬だと言われると、胸がギュッと掴まれるようだった。

「いえ……」

 何を言っていいのかわからなくて、昨夜から彼の大きな背中に回したままの腕に力をこめる。
< 105 / 219 >

この作品をシェア

pagetop