罰ゲームで私はウソの告白をされるそうです~モブ令嬢なのに初恋をこじらせているヤンデレ王子に溺愛されています~
42 仲間が増えました
ゼダの微笑みを見ながらリナリアは『やっぱりゼダ様は、シオンの味方なのね』と改めて思った。
「ゼダ様、シオン殿下のことでご相談があるのですが……」
周りに他の生徒がいないか確認するためにリナリアが辺りを見回していると、ゼダは「ご安心ください。今は、声が聞こえる範囲に人はいません」と断言した。
(そういえば、ゼダ様は天才と呼ばれるくらいすごい剣士だってシオンが言ってたわね)
天才剣士にもなると、周囲に人がいるかいないかくらい分かるようだ。
「実は先ほど、シオン殿下から『このまま悪評を否定せずに、王室に除名してもらうつもりだ』と聞いたんです。ゼダ様は、このことをご存じでしたか?」
ゼダは少しだけ視線を下げた。
「シオン殿下から除名の件をはっきりと聞いたわけではありませんが、以前から『私が王族のままではリナリア嬢と一緒になれない』とはおっしゃっていました」
「そのことをゼダ様はどう思いますか?」
まずゼダの意見が聞きたかった。ゼダはシオンの味方だが、シオンに何を求めているのかは分からない。
ゼダは口を閉じると少しだけ考えるそぶりを見せた。
「護衛の立場からすれば、シオン殿下ほど優秀な方には、王になったローレル殿下を生涯支えていっていただきたいと思います。しかし……」
「しかし?」
「友の立場からすれば……シオンには第二王子という身分を捨てて、愛する人と幸せになってほしいと思っている」
そう言ったゼダは、隙のない王子の護衛ではなく、年相応の学園の生徒に見えた。
「ゼダ様のおっしゃるとおり、私もシオン殿下には幸せになってほしいです。だからこそ、シオン殿下の悪評を消したい。それに、この国の未来のためにも、ローレル殿下もこのままではいけないと思っています」
「そう、ですね」
ゼダは、リナリアの言葉を噛みしめるようにうなずいた。
「リナリア嬢、私もそう思います。しかし、ローレル殿下は、全てにおいて優秀すぎるのです。確かにシオン殿下への対応に問題がありますが、ローレル殿下が王にならないというのはこの国の損失だと私も含めてすべての国民が思っていると思いますよ」
ゼダの言いたいことは分かる。リナリアだって、世の中はきれいごとばかりではなく、大勢の幸せのために、一人が犠牲になることがあることも知っている。
「でも、本当に王に相応しい優秀な方は、自分の弟君を陥れようとするでしょうか? みんな、自分がシオン殿下の立場ではないから、ローレル殿下を讃えるのであって、ある日突然、ローレル殿下のターゲットがシオン殿下から、ゼダ様やゼダ様の大切の人に代わる可能性だってありますよ」
ゼダは黙り込んだ。
「ゼダ様。私は『ローレル殿下を王様にしたくない』と言っているのではないのです。ただ、シオン殿下が心の底から幸せになれるような道を探したいのです。そして、ローレル殿下がシオン殿下にしていることは酷いことだと、ローレル殿下に反省してもらいたい」
「そんな道はあるのでしょうか?」
リナリアはゼダに「それを私と一緒に探していただけませんか?」とお願いした。
「なるほど、シオン殿下が子どものころに貴女に一目惚れした理由が、ようやく分かった気がします。貴女はまっすぐで正義感が強い、そして、とても優しい」
「そんなことは……」
「ありますよ。私もシオンの友人として、シオンが幸せになれる道を探すお手伝いをさせてください」
「ありがとうございます!」
リナリアが握手をするために右手を出すと、ゼダは困った顔で両手を上げた。
「握手はやめましょう。貴女にふれるとシオンに殺されそうなので」
リナリアが「ゼダ様も冗談を言うんですね」と微笑むと、ゼダはなんとも言えない顔をした。
「ゼダ様、シオン殿下のことでご相談があるのですが……」
周りに他の生徒がいないか確認するためにリナリアが辺りを見回していると、ゼダは「ご安心ください。今は、声が聞こえる範囲に人はいません」と断言した。
(そういえば、ゼダ様は天才と呼ばれるくらいすごい剣士だってシオンが言ってたわね)
天才剣士にもなると、周囲に人がいるかいないかくらい分かるようだ。
「実は先ほど、シオン殿下から『このまま悪評を否定せずに、王室に除名してもらうつもりだ』と聞いたんです。ゼダ様は、このことをご存じでしたか?」
ゼダは少しだけ視線を下げた。
「シオン殿下から除名の件をはっきりと聞いたわけではありませんが、以前から『私が王族のままではリナリア嬢と一緒になれない』とはおっしゃっていました」
「そのことをゼダ様はどう思いますか?」
まずゼダの意見が聞きたかった。ゼダはシオンの味方だが、シオンに何を求めているのかは分からない。
ゼダは口を閉じると少しだけ考えるそぶりを見せた。
「護衛の立場からすれば、シオン殿下ほど優秀な方には、王になったローレル殿下を生涯支えていっていただきたいと思います。しかし……」
「しかし?」
「友の立場からすれば……シオンには第二王子という身分を捨てて、愛する人と幸せになってほしいと思っている」
そう言ったゼダは、隙のない王子の護衛ではなく、年相応の学園の生徒に見えた。
「ゼダ様のおっしゃるとおり、私もシオン殿下には幸せになってほしいです。だからこそ、シオン殿下の悪評を消したい。それに、この国の未来のためにも、ローレル殿下もこのままではいけないと思っています」
「そう、ですね」
ゼダは、リナリアの言葉を噛みしめるようにうなずいた。
「リナリア嬢、私もそう思います。しかし、ローレル殿下は、全てにおいて優秀すぎるのです。確かにシオン殿下への対応に問題がありますが、ローレル殿下が王にならないというのはこの国の損失だと私も含めてすべての国民が思っていると思いますよ」
ゼダの言いたいことは分かる。リナリアだって、世の中はきれいごとばかりではなく、大勢の幸せのために、一人が犠牲になることがあることも知っている。
「でも、本当に王に相応しい優秀な方は、自分の弟君を陥れようとするでしょうか? みんな、自分がシオン殿下の立場ではないから、ローレル殿下を讃えるのであって、ある日突然、ローレル殿下のターゲットがシオン殿下から、ゼダ様やゼダ様の大切の人に代わる可能性だってありますよ」
ゼダは黙り込んだ。
「ゼダ様。私は『ローレル殿下を王様にしたくない』と言っているのではないのです。ただ、シオン殿下が心の底から幸せになれるような道を探したいのです。そして、ローレル殿下がシオン殿下にしていることは酷いことだと、ローレル殿下に反省してもらいたい」
「そんな道はあるのでしょうか?」
リナリアはゼダに「それを私と一緒に探していただけませんか?」とお願いした。
「なるほど、シオン殿下が子どものころに貴女に一目惚れした理由が、ようやく分かった気がします。貴女はまっすぐで正義感が強い、そして、とても優しい」
「そんなことは……」
「ありますよ。私もシオンの友人として、シオンが幸せになれる道を探すお手伝いをさせてください」
「ありがとうございます!」
リナリアが握手をするために右手を出すと、ゼダは困った顔で両手を上げた。
「握手はやめましょう。貴女にふれるとシオンに殺されそうなので」
リナリアが「ゼダ様も冗談を言うんですね」と微笑むと、ゼダはなんとも言えない顔をした。