敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
エピローグ
 禍を退けた日から六日。
 この日、私とジーク様は無事に国教会で婚姻の儀を執り行い、私は法の下正式にジーク様の正妃になった。
「ちょっ、アニータ。アニータったら」
 婚姻の儀は司祭の前で婚姻証書を交わす儀式だが、直系親族のみ列席が慣例の小規模かつ質素なものだ。なので、披露宴と国民へのお披露目式は日を改めて、盛大に催すことが決まっている。
 そういうわけで婚姻の儀は日の高いうちに終わり、夕方前には王宮に戻ってきてゆっくりと寛いだ時間を過ごして……は、いなかった。
「はい? どうされました」
 帰城後、簡単な食事を済ませるや、すぐにアニータに大浴場に連行されて隅々まで磨き上げられた。ふやけそうになったところでやっと湯舟から引き出されたと思えば、今度は部屋で髪やら肌やら入念に手入れされている。
 でも、保湿クリームを人に塗られるのは、くすぐったいことこの上無い。
「もう無理っ! くすぐったくって! 後は自分で塗るから大丈夫よ」
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