貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜

貴方と私は、

「よかったら少しお話しませんかぁ?」

特有の甘ったるい声で紺野洋子は私に話かけ、こちらの返事を待たずに給湯室の中に入っていく。
そしてこちらを振り返ると、こてんと小首をかしげながら単刀直入に話をしてくるのだった。

「山本さんと神山さんの噂を聞いたんですけれどぉ、あれって本当なんですか?」

「可愛ければ全て許される」とばかりに、自分がどのようにすれば可愛く見えるのかという、計算しつくされたあざとさが垣間見れる仕草とその態度。けれど可愛い仕草をしたところで、聞いていることは、他人のプライベートに土足で踏み込むゲスな話題。
そんな彼女から感じ取れるのは、女子カーストの上位に在席する人間特有の傲慢さと、私をカースト下位と見下しているのだろう、といったところ。

そんな態度にイラっとして、なぜか彼女にひと泡吹かせてやりたいという気持ちに駆られしまい、私はつい挑むような態度をとってしまうのだった。

「そうですね。噂は本当ですよ」
「じゃあ神山さんと山本さんは、どういう関係なんですかぁ?」
「どういうって、まあ、ホテルに行くような関係ですよね」

紺野洋子も負けじと突っ掛る様な反応を示すので、私もなんだかムキになって、敢えて余裕ぶったところをみせてやる。
すると彼女は一瞬恐ろしい程にギラついた表情を見せたが、すぐにそれを隠すと、再び甘ったるい表情と声を作るのだった。

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