セカンドバージン争奪戦~当事者は私ですけど?

episode②


「ゆーあ、昼飯は?」

お願いだから、その緩い‘ゆーあ’は何とかならないか?と思うが、当の本人はパソコンで私が絶対に見ないような、見ても分からないアルファベットと数字が並ぶ画面を見ながら手を動かしている。

「食堂はないぞ」

返事を促すかのようにチラッと私を見た桐谷センパイに適当な返事をして外に出ようかと思った私へ

「駅ナカに行って何かテイクアウトするか、ここへウーハー呼んでもいいよ?コピー機の隣に呼べるメニュー、結構置いてあるから」

青田さんのヘルプがあった。

「ありがとうございます。ということは、皆さんここで食べる感じですか?」
「時間的にピークをずらして外で食べることはあるよ。今日は駅ナカ、一緒に行く?」
「はい」

良かった。桐谷センパイと休憩時間に一緒というのは気まずい。だが…この男はデリカシーがないようだ…

「俺も一緒に行くわ」

行かんでええ、とお腹から喉まで出てきたのを飲み込む。例えあんな経験だったとしても、一度はそういう関係だった相手でしょ?距離を置いて欲しいんだけど…
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