幼馴染みの鍵が開いた瞬間から溺愛が止まらない

 
 「お前、昨日から連絡しろといったのに、何で連絡しないであいつに抱きしめられてるんだ。ふざけるな。」
 
 コーヒーの香り。奏ちゃんの匂いだ。奏ちゃんが私を抱きしめてる。
 お酒のせいか、身体が熱い。力が抜ける。

 「おい、緑、大丈夫か?」
 反応がない私を離そうとしたら、奏ちゃんに倒れかかってしまった。
 
 「う……ん、ちょっと酔いが回ってごめんなさい。」
 「……緑、お前、分かってるのか?お前は誰にでも抱きしめられるのか?酔っていれば誰でもいいのか?」

 頭が冷えた。
 奏ちゃんを下から睨む。
 よくそんなひどいことが言える。
 誰のせい?奏ちゃんが私を妹にしたんじゃん。

 「じゃあ奏ちゃんは、どうして今日私に会いたかったの?」
 奏ちゃんは目を大きく見開いて、私をじっと見る。

 「……昨日の……話……ごめん。カーテンの陰から木下さんが見ていたからはっきり答えられなかった。緑、嬉しかったよ。」
 奏ちゃん、今なんて?

 「え?何が嬉しいの?私、昨日泣いてたんだけど。」
 「俺のこと、好きっていったこと。緑、聞いてくれ。俺もお前が好きだよ。女として。もしかすると、お前と同じ頃から。」
 
 「嘘、嘘だ。」
 「どうして?」
 
 「妹って言った。」
 「言ってない。そうじゃない、俺がお前の兄としているべきだと思い込んでた。好きになったらだめだとずっと青の手前ブレーキかけてた。高校の頃から。」

 

 
 
 
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