すれ違いのone-sided love
再会
よく、逃した魚は大きいなんて言うけれど、そんなこと、僕には無関係だと思っていた。

彼女と再会した、あの日までは…。


早くも、高校3年生になってしまった。

いい加減、本格的に受験勉強をしないとな…。

ついこの前、高校受験が終わったばかりのような気がするのに、何とも憂鬱だ。


塾へ向かう途中、姿勢よく颯爽と歩いている、中性的な美少女を見かけた。

見覚えのある顔だ。

「青山…?」

僕は、頭で考える前に、その子に声をかけていた。

彼女は、しばらくポカンとしていたが、

「あぁ、園田?久しぶりだね」
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