竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

17 心の奥にある本能 竜王SIDE

 
「今日は快晴に恵まれて良かったですね」
「ああ、そうだな」
「本日の競技会には、リコも見に来るらしいですよ」
「知っているが?」


 シリルからの朝の報告を聞きながら、朝食を食べるのが俺の日課だ。今日は騎士団主催の競技会があるため、さほど俺の仕事で大事な報告はないらしい。


「リコも楽しんでもらえるといいですね。なにせ彼女は竜が大好きですから」
「ふっ……そうだな」


 その言葉に俺の竜姿を見たリコの顔を思い出す。ビクビクとおびえる小動物のようだった彼女が、俺が竜に変わったとたん、目をキラキラと輝かせる姿は印象的だった。
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