竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

22 夜の作戦会議

 
「卵くん、ねえ、寝てるの? 起きて」


 ポンポンと軽く叩いたり、反対に今度は強めにしてみたりと、竜王の卵に向かって呼びかける。しかしやっぱり返事はなかった。それでも私は諦めることができず、何度も何度もお腹に向かって話しかける。


 そんなことをしていると、あっという間に夜だ。今夜はやたら風が強くて、窓がカタカタと揺れている。その寂しげな音がよけいに私を不安にさせ、ため息を吐いた。


 その後も、体だけでも休めようとベッドに入り横たわったけど、心はまったく休まらない。それどころか、ピクリとも動かないお腹をさすっていると、どうしても嫌な考えが浮かんできて、私はとうとうその言葉を口に出してしまった。


「もしかして、卵くん、私から出て行っちゃった……?」
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