竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

23 リコだけの竜

 
「元気でいいことだ。昨日の今日だから、外に出るのを怖がるかと思ったが、本当に平気か?」
「はい! 大丈夫です!」


 もちろん怖くないと言ったら嘘になる。高いところに一人で登れと言われたら、それも断固拒否する。でもこの依頼は私の能力を認めてもらうチャンスなんだから、絶対に受けさせてもらいます!


 異様な気合いの入りっぷりに、竜王様がまたククッと喉を鳴らして笑っている。


「出発は明朝だ。そんなに俺も城を空けられないからな。一泊して帰ろう」
「えっ! 竜王様も一緒に行くんですか?」
「もちろんだ。この国で最高の警備がおまえにつくんだ。感謝しろ」
「えっ? 竜王様が私の警備員として、一緒に行くんですか?」


 そんな贅沢なことをして良いのだろうか? 私が疑問に思っていると、リディアさんが笑いをこらえながら、説明してくれた。
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