婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される

17. あふれる涙をぬぐうのは

 

 エドワードとサラが結婚宣言して何が嫌かって、俺以外の親3人がニヤニヤしてこっちを見てくることだ。まったくあいつらは!


 俺がエドワードに「娘はまだ嫁にやらん!」とでも、言うと思ったのだろう。娘を溺愛している父親ならそれは当然だが、本音を言うとサラと離れなくてすむから嬉しかった。



 過保護かもしれないがどうも昔からサラのこととなると、心配で寝れなくなったり悪夢を見ていた。だから隣に嫁に行くなら、かなり良い縁談だと思ったんだ。



 とはいっても10才が言うことだ。あっちの親とも「上手くいったら嬉しいけど、こればっかりはな」と2人の心変わりだって想定内だった。



 もっと大人になって世界が広がれば、いろんな出会いがあり人生の生き方や価値観が変わる。子供の頃の約束など、甘酸っぱい思い出に変わるだろうとも思っていた。

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