若旦那様の憂鬱

告白

朝起きて、自分から連絡しようと決める。

出来れば会いたい。

好きだって伝えたら困らせるだろうか…。

もっと関係を悪化させてしまう?

この気持ちを抑えて妹のままで、
何も無かったかのように振る舞えば、
元通りに戻る?

どうしようもなく不安が溢れて、
心が揺れる。

涙が出そうになる。

どちらを選択するかはその時決めよう。

とりあえず、夜、柊君の仕事帰りを待ってみよう。

それだけは決心する。

夕方、花は学校から帰って夕飯を作りながら柊生の為にお弁当を作る。

唐揚げに、かぼちゃのバター炒め、だし巻き卵に、きんぴらごぼう、ブロッコリーのツナ和え
どれも一人暮らしで、野菜不足になりがちな柊生の為を思って作った。

今は18時5分前、
定時は18時だって聞いているから、
今からなら裏口から入れば間に合うはず。

花は急いでお弁当を包み、コートを羽織り家を飛び出す。
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