無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない

12. 乙女騎士のピンチ

 
 舞踏会当日に彼女を迎えにいくも、緊張して顔が見られない。レイラもどこかよそよそしい態度だ。手紙の返事がないのが彼女の答えかもしれないと思うと、気軽に彼女に話しかけることができなかった。


(今日のプロポーズは、断られるかもしれないな……)


 城に着くと今日もレイラは男の視線を釘付けにしていた。俺が牽制するためギロリと睨むと、近くにいた男達はそっと視線を外す。しかしチラチラと遠目にでもレイラを見ようとする者がいた。その様子を見ていると嫌な考えが頭によぎって、思わずため息をつく。


 彼女が他の男を選べば、俺こそが彼女を遠目に見ることになる。選ばれないというのは、そういうことだ。それでも俺は授与式を終えると、レイラにプロポーズをするため人混みをかき分け探し出した。
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