君の愛に酔う      ~藤の下で出会った2人の物語~

疑惑の慈善事業、そして追放へ

善は急げとばかりに
ユリウスと夕食を共にした際に孤児院を支援したいという話をすると
あっさりと許可が下りた。

相変わらずユリウスとは何の進展もないジゼルだったが、
月に数回夕食を共にしている。
シュトラウスの差し金なのでユリウスから自発的にというわけではないが、
いつも丁重にもてなしてくれるので少なくとも嫌われてないとは思う。

「なかなか慈善事業には手が回っていなかったので、王妃が引き受けてくれるなら助かる。母が支援していた孤児院の院長とは面識があるから話を通しておこう。」
と早速手配までしてくれた。

ユリウスが紹介してくれた孤児院は王城から馬車で15分ほどのところにあり、
マグノリア国内ではもっとも大きな孤児院だった。
ジゼルが訪問するとまずは院長室に通される。
院長は上品そうな笑顔が印象的な女性で、ジゼルを温かく歓迎していくれた。
「前王妃様に目をかけていただいて、ユリウス国王陛下にも運営資金を援助いただいているので、本当に助かってます。そのうえ王妃様にも支援の手を差し伸べていただけるなんて。神の恵みですわ。」
「できるだけのことをさせていただきたいと思います。今、何が一番困っているでしょうか。」
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