君の愛に酔う      ~藤の下で出会った2人の物語~

押し付けられた縁談

離宮に追いやられ、国王からも無視されているジゼルには
17歳で成人した今もやることがない。

国王の代理で公務に就くわけでも無く、
貴族たちとの社交にいそしむわけでもない。
やることと言えば、藤棚のお世話とマルゴに教わった裁縫ぐらい。
生来、手先が器用だったこともあって裁縫の腕はプロレベルに達しており、
王家お抱えのお針子たちよりも上手だとマルゴは絶賛していた。

そんなわけで今日もせっせと針仕事を進めていたのだが、
急な来訪者により、ジゼルの運命は大きく動き出すこととなる。
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