幼馴染みの秘めた溺愛  ~お前は女神でヒーローで

俺達らしい幸せ

美桜も俺も慌ただしくて、結局デートができたのは2月に入ってからだった。
キスより先もまだおあずけ状態だし。



「ねぇ樹王、すごいよ、おっきな水槽!わぁ…きれいなお魚がいっぱい!あっちはペンギンだって!あっ、ラッコだぁ!」

俺の手を引いて楽しそうに歩く美桜。
こんなにはしゃぐ姿がすげぇ可愛くて、俺も自然と顔が緩んじまう。



水族館を一周してエントランスホールに戻ると、美桜がニコニコと俺を見た。

「楽しかったね!…樹王、どうしたの?楽しくなかった?あっ、あたしばっかり喋ってたもんね…樹王を置いてきぼりにしちゃってたよね、ごめんね」

そう悲しそうな顔をするから…コートで覆うように抱き締めて言う。

「違うよ、俺もすげぇ楽しかったよ。ただ…美桜が可愛すぎて…こうして抱き締めたくなるのを我慢するのが苦しくてさ」

愛しくて…胸のドキドキが止まらないんだ…


「もう…家に戻ってもいいか?」

「うん、じゃあお昼はおうちでピザ頼もっか」

「ありがと、そうしよう」
早く…二人きりになりたい…




家に着くと、頼んでおいた宅配ピザがすぐに届いた。

多そうに見えたけど、二人で話しながら食べていたらあっという間になくなった。

「じゃあデザートに美桜をいただこうかな」
なんて言えば真っ赤になる美桜。


「はは、美桜は可愛いな、こんなので赤くなって」

「だって…」

「ふ、可愛い」って頭を撫でながらキス。


最近すげぇ甘いんだ、俺。激甘もいいとこ。
美桜にそうできるのが嬉しくてさ。
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