毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
4.



***

 無事に昴さんに連絡することができた。米国のアンノウン機体が数日に渡って日本の空を飛び回っていたことから、救難機と戦闘機が出動したらしい。ニュースにもなり、その様子や戦闘機が空を飛んでいる様子がテレビに映りだされた。

 ――改めて、私達の日常は当たり前ではないと思い知らされる。

 数日が経ち、いつものように「焼き立てのメロンパンはいかがですかー」と、入ってきたお客さんに呼びかけをしていると、昴さんが私の前に姿を見せた。

「昴さん……」

「急にごめん、無事に終わったから」

 凄く疲れた顔をしていた。おばさんも帰ってきた昴さんに気づいて、「果林ちゃん今日は大丈夫よ。昴と一緒にいなさい」と言ってくれた。

「……はい。ありがとうございます!」

 お店の外で待つ昴さんの元へ向かい、「昴さん、お疲れ様です!」と、頭を下げる。

「連絡もなかなかできずに申し訳なかった」

「いいえ。お仕事なので、大丈夫ですよ! 昴さんはさんが無事で良かったです!」

 数日会っていないだけなのに、もう何ヶ月も会っていないように感じる。昴さんが愛おしくて、控えめに抱きついてみると、力いっぱい抱き返された。


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