君がたとえあいつの秘書でも離さない

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 年明けて、私のボス石井取締役が新年の挨拶回りと一緒に就任の挨拶にあちこち行きだした。

 その日、一緒に回っていて驚くことがあった。
 
 蓮見直也さんに会ったのだ。

 あの、バーの直也さんである。

 蓮見商事の御曹司だった。

 挨拶に行った蓮見商事でお目にかかった。
 
 秘書の方もご一緒にどうぞ、と先方の秘書のかたから専務室へ案内された。

 石井取締役は私が一緒に案内されたことをなぜだろうといぶかしがっていたようだが、私はもっと不思議だった。

 部屋に入り、あんなに驚いたことはない。

 にっこりと笑い、こちらを見る直也さん。

 「石井さん、お久しぶりでございます。昇進おめでとうございます」

 「蓮見さん、ご無沙汰しています。これからはどうぞよろしくお願いします」

 私は、蓮見専務の秘書に持ってきたお土産をお渡ししたところだった。

 「石井さん、ウチの秘書の花田です」

 綺麗なショートカットにダイヤのピアスが美しい女性。

 彼女が綺麗にお辞儀をした。

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