【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第101話】

8月29日の日中であった。

この日、デリヘル店は生理休暇であった。

ファミマのバイトは交代休みであった。

アタシは、JR高松駅から朝イチの快速マリンライナーとJR山陽本線の電車を乗り継いで三原市へ行った。

亡き父のお墓は、三原市の向かいの生口島《いくちじま》の山の手にあるお寺さんにあった。

赤茶色のバックを持っているアタシは、住職さんと一緒に父のお墓に行った。

父の墓前にて…

住職さんは所用ができたので本殿に戻ったので、墓前にいたのはアタシひとりであった。

父の墓前には、きれいな花が備えられていた。

この時、アタシは武方《たけかた》さんに父の夢をホゴにしたことを言われたことを思い出したので、思い切りブチ切れた。

「キーッ!!」

思い切りブチ切れたアタシは、お供えの花束を手にしたあと父の墓石をめちゃくちゃに叩いた。

その後、黒の手袋をつけたあと近くで作業をしている塗装屋が使っている黄色の日本ペイントの缶を手に取った。

そして…

(ザバーン!!)

思い切りブチ切れたアタシは、黄色のペンキを父の墓石に思い切りかけて破損させた。

アタシは、するどい目つきで父の墓前をにらみつけた。

ふざけるな…

娘のアタシが苦しんでいるのに…

アタシを助けなかった…

だからペンキをかけられたのよ…

思い知ったか…

アタシは、この日を持って三原市の実家と本当にゼツエンした。

時は流れて…

9月3日の正午前のことであった。

アタシは、デリヘル店の女のコの待機部屋にいた。

いつでも出張に行けるように準備を整えていた時であった。

店長さんが血相を変えて待機部屋にやって来た。

店長さんはアタシに対して高知市で立てこもり事件が発生したことを伝えた。

現場は、春野町の高級住宅地の中にある住宅であった。

容疑者は、18歳の少年で大学をやめさせた父親を連れてこい!!とケーサツに要求している…』と伝えた。

この時、けいぞうさんの奥さんと娘さんが人質になっていた。

容疑者の少年はまさおさんかもしれない…

そう思ったアタシは、急いで身支度を整うたあと高知へ行くことにした。

それから1時間後であった。

アタシは、高松駅のバスターミナルから高速バスに乗って高知市のはりまや橋バスターミナル(旧高知西武百貨店跡地)へ向かった。

ところ変わって、春野町の高級住宅地にて…

立てこもり事件の現場は、あいつが暮らしている家であった。

キンリンの住民のみなさまが、ものすごく心配な表情で事件現場の様子を見ていた。

早くしてくれ…

何とかならないのか…

事件現場では、万が一に備えて高知県警と応援できている徳島と愛媛の両県警のSAT隊員合計100人と高知と善通寺の陸上自衛隊の隊員合計100人と山口県岩国市の在日米軍兵100人が武装した状態で待機していた。

さらに、高知駐屯地の戦車1台が待機していた。

場合によっては、家ごとぺちゃんこにつぶすか家を砲撃するために戦車を配置させたと思う。

現場は、きわめて危険な状況におちいった。

家の中では、まさおさん…いえ…まさおが『大学をやめさせた父親を連れてこい!!カネとパスポートを用意しろ!!婦警をひとり連れて来い!!』とわめいていた。

ケーサツは『無駄な抵抗をやめて出て来い!!さもなくば、武力行使に踏み切るゾ!!』と強い口調で警告した。

まさおは、刃渡りの鋭いナイフをけいぞうさんの娘さんに突きつけるなどして抵抗した。

同じ頃であった。

現場近くの交番で警察官が所有していた拳銃が奪われた事件が発生した。

こともあろうに、警察官の拳銃を奪ったのはあいつだった。

そして、夕方4時過ぎにサイアクな局面を迎えた。

あいつは、事件現場の高級住宅地に到着したあと、ごり押しで現場の家に入った。

キンリンの住民は『危ないから入らないで!!』と言うたが、ダンナは『まさおを殺しに行く!!』と叫んだあと、そのまま入った。

その頃、ももけた腹巻き姿の竹宮《たけみや》が裏口から入った。

家の中にて…

あいつは、刃渡りの鋭いナイフを持っているまさおに背後から花瓶で頭を殴りつけた。

その間に、2歳の娘さんがまさおから離れた。

その直後であった。

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

裏口から入った竹宮《たけみや》が腹巻きに隠していた拳銃《チャカ》でまさおを撃ち殺した。

「まさお!!まさお!!」

まさおのもとに行ったあいつは、まさおを呼んだ。

竹宮《たけみや》は、ひとことも言わずにじっと立っていた。

「キサマ!!よくもまさおを撃ち殺したな!!ワーッ!!」

思い切りブチ切れたあいつは、竹宮《たけみや》に殴りかかって行った。

「オドレやるんか!!」

あいつと竹宮《たけみや》は、もみ合いをくり広げた。

それから5分後であった。

竹宮《たけみや》は、あいつが持っていたナイフで右肩を斬《き》られた。

「グワアアアアアアアアアアアアアアア!!きっきさま…」

あいつに斬《き》られた竹宮《たけみや》は、その場に倒れた。

「オドレ!!死ねや!!」

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

竹宮《たけみや》は、拳銃《チャカ》であいつを撃ち殺した。

その後、竹宮《たけみや》はもみ合いなった際に床にたくさんこぼれたベンジンを見たあと勝手口の戸をあげた。

そして…

「この家は…間もなく灰になる…」

竹宮《たけみや》は、火がついた新聞紙を投げ入れたあと勝手口から逃げ出した。

その間に、火はあっという間に燃え上がった。

竹宮《たけみや》は、よろけた状態で現場から逃げた。

その頃であった。

アタシは、はりまや橋バスターミナルで高速バスを降りたあとタクシーに乗って、事件現場の高級住宅地へ向かった。

タクシーは、有料道路を経由して事件現場の高級住宅地の入り口から700メートル手前の交差点で止まった。

アタシは、そこで降りることにした。

タクシーチケットを運転手さんに渡した後、赤茶色のバッグを持って、タクシーを降りた。

アタシは、最も恐ろしい光景を目の当たりにした。

(カンカンカンカンカン!!カンカンカンカンカン!!)

キンリンの消防団の詰め所のハンショウがけたたましくなりひびいた。

それと同時に、高知市の中央消防署のけたたましいサイレンがひっきりなしに鳴り響いた。

(ギャー!!ギャー!!)

住宅地の住民のみなさまが、恐ろしい悲鳴をあげながら逃げ回っていた。

恐ろしい光景を見たアタシは、危険を避けるために海の方へ逃げた。

この時、高知市の中央消防署の消防車7台がけたたましいサイレンを鳴らして事件現場に向かった。

(ウーウーウーウー!!カンカンカンカンカン!!ウーウーウーウー!!カンカンカンカンカン!!ウーウーウーウー!!カンカンカンカンカン!!)

消防車7台が現場に向かっていた時、遠くでものすごく大きな爆発音が聞こえた。

(ドカーン!!ドカーン!!ドカーン!!ゴゴゴゴゴゴ!!ゴゴゴゴゴゴ!!ドーン!!)

どす黒い煙が丘を下って流れていたのが遠くから見えた。

アタシは赤茶色のバッグを持って、海へやって来た。

アタシが着ている白のブラウスは汗でべっとり濡れていた。

ブラウスからインクブルーのブラジャーが透けて見えていたと同時に着衣が乱れた。

今までに体感したことのない恐怖を目の当たりにしたアタシは、サクラン状態におちいった。

お願い…

助けて…

助けて…

アタシを助けて…

お願い…

いっ…

イヤ…

イヤ…

ギャー!!

【第二部・終わり】
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