【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第125話】

8月15日の日中のことであった。

鑑定留置中のアイツは、拘置所内に拘束されていた。

鑑定医《いしゃ》の予定が合わないことが原因で、あいつは精神鑑定《かんてい》を受けることができずに放置されたままであった。

上の人は、再三に渡ってあいつの精神鑑定《かんてい》を始めるようにと鑑定医《いしゃ》にサイソクした。

鑑定医《いしゃ》は、学会などの予定があるとウソをついて予定を先延ばしにした。

上の人は、鑑定医《いしゃ》に対してこの日(8月15日)に精神鑑定《かんてい》をお願いしますと頼んだ。

しかし、鑑定医《いしゃ》は『カノジョとデートする予定が入ったからまた今度にしてください…』と言うて断った。

上の人は、時間がないことを理由に簡易鑑定《もんしん》のみで責任能力の有無を調べた。

簡易鑑定《もんしん》の結果、心神喪失で病院に措置入院…となった。

あいつの姉《おねえ》は、病院よりもうちにいさせてほしいとケーサツにコンガンした。

ケーサツは、あいつは姉《おねえ》の気持ちをくみ取って家に帰した。

しかし、それは大まちがいであった。

その日の夜、新たな悲劇が発生した。

ところ変わって、あいつの家にて…

家には、あいつとかずひこだけがいた。

あいつの父親と姉夫婦《おねえのかぞく》たちは、さよこの婚約者の家に夕飯《ごはん》を食べに行ってたので不在であった。

かずひこは、兄が心神喪失《ショブンホリュウ》でシャクホウされたことに腹を立てて、刃渡りの鋭いナイフをふりまわしながら暴れた。

事件は、日付が変わって8月16日の深夜1時頃に発生した。

「オラ!!きよひこ!!」
「助けてくれ!!助けてくれ!!」
「ふざけんなよ!!法が罰しないのであれば、オレが罰してやる!!」
「助けてくれ!!」

この時であった。

黒のコート姿で黒のサングラスをかけた女が勝手口から侵入した。

黒のサングラスの女は、事件現場へゆっくりと歩んだ。

大広間にて…

かずひこは、ひどくおびえているあいつをにナイフでイカクした。

「助けてくれ〜…殺さないでくれ〜」

あいつは、ひどくおびえていた。

その時であった。

「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

かずひこは、黒のサングラスの女にナイフで刺されて殺された。

その後、黒のサングラスの女はすぐに逃げた。

おびえまくっていたあいつは、大広間から離れたあと自分の部屋へ逃げた。

あいつの部屋にて…

(カチャ…)

あいつは、部屋に入ったあと戸のカギをかけた。

その時であった。

乳房とおまた以外の肩から脚までの部分が刺青《すみ》で染まっているアタシがいた。

アタシは、背を向けていた。

アタシの肩から背中・お尻・脚にかけて描かれていた死神の刺青《すみ》を見たあいつは、その場で腰をぬかした。

「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」

その後、アタシはすぐ近くにあった金属バットを手にしたあとあいつをイカクした。

「とし子…とし子…」
「ふざけるなクソバカ!!よくもアタシをボコボコに傷つけたわね!!」

あいつは、急いてドアのカギをあけようとした。

しかし…

「死ねや!!」

(ガーン!!)

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

アタシは、あいつの頭を金属バットで殴った。

「頭がいたーい!!グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

その後、アタシはあいつの背中をひと思いに刺した。

あいつは、即死した。

その後、アタシはナイフで電話線を切断した。

アタシは、ショウコインメツをはかったあと現場から逃げた。

あいつの父親と姉夫婦《おねえのかぞく》たちは、挙式披露宴の打ち合わせのために数日間相手の家に滞在するので数日間は家をあける予定だった。

あいつとかずひこに対するうらみを晴らしたけど、アタシのまだ怒りはおさまっていなかった。

8月23日の朝9時過ぎのことであった。

場所は、鶴岡八幡宮付近小町通りにあるホテルにて…

さよことお見合い相手の挙式披露宴が挙行される予定であった。

しかし、降り悪く男性から『取引先からクレームが来たので、朝イチの飛行機に乗って北海道に行くから挙式披露宴に行けなくなった…』と言う電話があった。

男性が結婚披露宴に行けなくなったので、挙式披露宴の主役はさよこひとりだけになった。

電話の応対をしたあいつの姉《おねえ》は『しょーがないわね…』と言う表情を浮かべた。

新郎が不在の中で挙式披露宴を挙げることになったので、さよこはブルーになった。

マリッジブルーにおちいったさよこは、外へ出て行った。

この時、さよこは派手なシャツを着た男10人のグループにはがいじめにされて、マゼンタのミニバンに無理やり乗せられたあと遠くへ連れて行かれた。

「イヤ、助けて、助けて(お見合い相手)さーん!!イヤー!!」

さよこは、このあと走り去った車の中で男たちからきついレイプを受けた。

その頃であった。

ところ変わって、鎌倉市郊外にあるラブボにて…

さよこの結婚相手の男性は、ベッドの上で女と全裸《はだか》で激しく求めあっていた。

男性は、あいつの姉《おねえ》にウソをついてここへ来たようだ。

その時であった。

刺青《すみ》に染まった身体のアタシが刃渡りのするどいナイフを持ってクローゼットから出てきた。

「死ねや!!」
「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

アタシは、さよこの婚約者の男性をナイフでズタズタに斬《き》りつけて殺した。

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

つづいて、一緒にいた女もズタズタに斬《き》りつけて殺した。

それから4時間後であった。

またところ変わって、鶴岡八幡宮の近くにあるホテルにて…

あいつの姉夫婦《おねえとむこ》は、さよこがいなくなったのでひどく心配していた。

その時であった。

ホテルのスタッフさんがコードレスホンの子機を持って来た。

スタッフさんは『警察署から電話です…』とけわしい声で言うた。

あいつの姉《おねえ》は、コードレスホンの子機を手にしたあと話した。

「もしもし…茅ヶ崎の警察署…さよこ…さよこはアタシの娘ですが…さよこがレイプ殺人で亡くなった…さよこがレイプされて殺されたって!?」

警察署からの知らせを聞いたあいつの姉《おねえ》は、ひどいめまいを起こして倒れたあと呼吸が止まった。

「どうしたのだ!?おい、どうしたのだ!?」

あいつの姉《おねえ》は、くも膜下出血を起こして倒れたあと即死した。

残ったのはあいつの父親だけとなった。

物語は、クライマックスに突入する。
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