【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第37話】

あいつは、9月3日に議会場で議長さんや議員さんたちをイカクしたあと数々の暴言を発した事件を犯した。

徳島県は、あいつが知事や県議会などの県政全般を攻撃した上に県民の感情までもいちじるしく傷つけたので最高裁判所に提訴すると発表した。

じいやんは、徳島県が最高裁判所へ提訴したことを聞いたので、大急ぎで今治に住んでいる義母の知人の知人に電話した。

義母の知人の知人が運営している社会福祉法人の理事長さんに連絡を取って、あいつを迎えに来てほしい…家が危なくなる…と言うて助けを求めた。

あいつには、軽度の知的障がいがあった。

じいやんは、早めに事態を収束《しゅうそく》させるためにカネを工面《クメン》するなど…動き回った。

その一方で、義父母ひどくあせっていた。

あいつを早めに施設へ入所させるために、今治の社会福祉法人グループの施設のリーフレットを出したあと、身丈に合った施設を選べと諭《さと》した。

けれど、あいつが『オレを追い出す気なのか!?』と義父母に怒鳴リつけたので、話し合いができなくなった。

9月5日の昼過ぎであった。

じいやんは、徳島県に対して提訴を回避してほしいとコンガンした。

じいやんは、あいつは人とのコミュニケーションを取ることが全くできなくなったので、県外の施設へ入所する手続きを取ることを伝えた。

提訴については、県議会一同がじいやんの気持ちをくみ取って白紙に戻したが、施設へ入所させるのならば鍵《カギ》のかかる施設へ入所させろと強要した。

提訴は回避できたが、あいつの立場はないと言うことに変わりはなかった。

9月7日の昼過ぎであった。

この時、桂一郎さんがあいつの家に突然やって来た。

桂一郎さんは、芹華《せりか》さんに対して『カネ返すか返さないのか、どっちぞ!?』と凄んで行った。

芹華《せりか》さんは、泣きそうな声で2000万円を払うゆとりがないと言うた。

桂一郎さんは『このまま手ぶらで帰るわけには行かんぞ!!』と言うたあと、恐ろしい目で芹華《せりか》さんをにらみつけた。

「お願い…許して…2000万円払うゆとりは…うちにはないよ…」
「ふざけるなよ!!オドレはどこのどこまで上級国民《ムシケラ》をかばう気だ!?真佐浩《ムシケラ》も真佐浩《ムシケラ》なら、オンドレもオンドレだ!!何が2000万円払うゆとりがないだ!!白亜豪邸《リッチないえ》で高級輸入家具《アンティーク》に囲まれた暮らし…ものすごくイラつくのだよ!!…きょう、興信所から真佐浩《ムシケラ》のことであらたな事実を聞いた…学歴・経歴は大ウソだった…ヒトツバシをユーシューな成績で卒業だと思ったら…地元のトクベツシエンガッコウ高等部卒業が最終学歴だった!!…セクハラとDVの前科があった…その上に、中学の時に女のもめ事を抱えていた…この豪邸《いえ》は!!真佐浩《ムシケラ》が中学高校の時に弱い子をいじめてカツアゲしたカネで建てた家だ!!真佐浩《ムシケラ》からいじめを受けた子は自殺した!!…人殺しをして強奪したゼニで白亜豪邸《リッチないえ》を建てて、高級家具《アンティーク》を購入した!!オドレも真佐浩《ムシケラ》のいじめに加担した悪女《まじょ》だ!!」
「やめてー!!」
「真佐浩《ムシケラ》は徳島県《けんみん》のためにせっせと働いていたと言うて世間をあざむいた!!オドレも真佐浩《ムシケラ》をヨウゴした悪女《ゲジゲジおんな》だ!!」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

桂一郎さんから凄まれた芹華《せりか》さんは、泣き叫んだ。

桂一郎さんは、より恐ろしい声で芹華《せりか》さんをイカクした。

「コラ!!泣いたら許してくれると思ったら大きな間違いだぞ!!芹華《オドレ》も女子校時代に担任《センコー》とデキていた上に、妊娠さわぎまで起こした前科持ちであると言うことを忘れたのか!!」
「やめてー!!それ以上のことは言わないで!!」

芹華《せりか》さんは、グスングスン泣き出した。

桂一郎さんは、芹華《せりか》さんの背中を押さえつけるように抱きしめたあと不気味な声で言うた。

「なーにがそれ以上のことは言わないでだ!!ふざけるな!!」

桂一郎さんは、芹華《せりか》さんをその場に寝かせた後、彼女が着ていた衣服をズタズタに破いた。

(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

芹華《せりか》さんは、よりし烈な叫び声をあげて泣いた。

それから2時間後であった。

「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」

桂一郎さんに犯されてボロボロになった芹華《せりか》さんは、グスングスンと泣いた。

桂一郎さんは、平然とした表情で家から出た。
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