【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第54話】

8月27日のことであった。

ところ変わって、高松市丸ノ内の裁判所にて…

この日、アタシの実家の両親とあいつとあいつの両親が来ていた。

アタシとあいつの結婚生活が破綻したので、今後のことを協議《きょうぎ》する予定であったが、アタシはいなかった。

それを聞いた武方《たけかた》さんは、ものすごく困っていた。

ところ変わって、アタシがバイトしている県庁前のファミマにて…

武方《たけかた》さんは、ものすごく困った表情でアタシに会いに来た。

アタシは、ゴミ箱の周りの掃除をしていた。

武方《たけかた》さんは、アタシに対して『すぐに裁判所に行きなさい!!』と言うた。

でも、アタシはイヤだからダンコ拒否した。

「あんたは一体何考えているよ!!バイトの手を止めて裁判所に来いなんて、ふざけてるわよ!!アタシは話し合いするのがイヤだから拒否するわよ!!」
「とし子さん!!私はすぐに裁判所に行けと言うてるのだよ!!私が間に入ると言うてるのだよ!!」
「アタシとあいつが離婚したら困る理由を言いなさいよ!!」
「だから、運送屋を再建させるために必要なカネだよぉ…」
「それならなんで信用金庫《しんきん》に行かなかったのよ!?」
「信金に行ったけれど、ユウシをことわられた…」
「それはあんたがヘラヘラした性格だから断られたのよ!!」
「ちがうよぉ…貸し渋りだよ~」
「ますますはぐいたらしいわね!!」
「とし子さん!!」
「ふざけるな!!あんた!!よくもアタシにいちゃもんつけたわね!!」
「とし子さん!!今すぐに裁判所へ行くのだ!!」
「イヤ!!拒否するわよ!!」
「拒否するだと!!」
「あんたはアタシを被告人にしたいのね!!」
「そんなつもりはない!!」
「見えすいたウソを言うのじゃないわよゲジゲジ!!アタシをさんざん悪者にしておいて、自分は100パーセント正しいと言いたいのね!!あんたのシュウトがクソジジイだから、あんたもクソやろうになったのでしょ!!」
「とし子さん!!」
「何なのよボンクラ経営者!!」
「ボンクラ経営者だと!!」
「うるさいわね!!ボンクラをボンクラと言うたらいかんのか!!アタシに裁判所に行くことを拒否するわよ!!」
「それじゃあどうするつもりなのだ!?財産分与・ふたりの今後の人生設計を話し合わずに放置するのか!?」
「アタシは、あいつの家のカネなんかびた一文もいらないわよ!!あいつがアタシにきついDVを加えてボロボロ傷つけた!!あいつの親もアタシを悪者にしたのよ!!あんたはダンソンジョヒ魔だからDVやレイプの被害を受けてズタズタに傷ついた女性の気持ちが分からないのよ!!!!あんたはDV魔のあいつとアタシの両親とグルになってアタシをおさえつけたから、あんた方の家をパワーショベルで壊すわよ!!」

アタシにイカクされた武方《たけかた》さんは、怖くなって逃げ出した。

アタシは、逃げて行く武方《たけかた》さんの背中を冷めた目つきでにらみつけた。
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