【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第83話】

最初の悲劇は、9月28日の深夜0時半過ぎに発生した。

けいこさんの娘さんは、徳島市沖浜東の国道沿いのガソリンスタンドでのバイトを終えて蔵本にある借家に帰宅する時であった。

けいこさんの娘さんは、婚約者の男性(28歳・市民病院の主任外科医)が運転する車に乗って、蔵本の家まで帰る予定であった。

しかし、男性が担当している患者さんが大量に吐血して容態が悪化したので、すぐに来てくださいと言う知らせが入った。

娘さんは、JR佐古駅で車を降りることになった。

その後、JR佐古駅の近くの交差点でタクシーを拾うことにしたが、娘さんはそこで事件に巻き込まれた。

娘さんは、ガード下で待ち伏せをしていた黒の目出し帽をかぶって、派手なシャツを着た男に突然連れ去られた。

「イヤー!!助けて!!(婚約者)さーん!!」

ガード下で、けいこさんの娘さんが恐ろしい叫び声が響いた。

それから6時間後であった。

けいこさんの娘さんの婚約者が勤務している北常三島町の市民病院にて…

けいこさんの娘さんの婚約者の男性は、夜通しで男性患者さんの救命に従事した。

男性患者さんは、危機的な状況からは脱した。

けいこさんの娘さんの婚約者の男性はひと安心した。

ひと仕事終えた男性は、仮眠室へ行こうとした。

その前に、スマホを取り出してメールの着信がないかどうか調べた。

この時、わけのわからない英文字と数字が並んでいたメアドのメールを発見した。

メールには『おはようさん…動画を添付してお届けしました…』と書かれていた。

男性は、イタズラメールと判断して削除した。

仮眠室に着いた時であった。

男性のスマホにまたメールの着信音が鳴った。

男性は、またスマホを見た。

わけのわからない英文字が並べられているメアドからのメールでこうかかれていた。

動画の文字にカーソルをかぶせてクリックしてごらん…

その手には乗らないぞ!!

男性は、メールを削除して仮眠をとろうとした。

その時にまた、メールの着信音が鳴った。

男性は、メールを調べてみた。

そしたら…

あんたさ…

こんなおいしい動画があるのに…

もったいないのぉ…

男性は、問題の動画を開いた。

そしたら…

「ギャー!!やめて!!イヤー!!助けて!!」

けいこさんの娘さんが黒の目だし帽をかぶった男にレイプされているシーンがスマホの動画に映っていた…

男性の顔が真っ青になった。

そして…

またわけのわからない英文字をならべたメアドのメールが届いた。

なっ…オレの言った通りだろ…

次のターゲットは…

お前の結婚を…

あと押ししてくださった…

かわいい妹…

そして…

オドレを失職させることだ…

覚悟しておけ…

ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…

メールに、ボロボロに傷ついて恥ずかしい姿に変わったけいこさんの娘さんの写メが添付されていた。

それを見た男性は、ひどく傷ついた。

その頃であった。

JR蔵本駅付近にあるけいこさんと娘さんが暮らしている借家にて…

けいこさんは、何事もなかったかのようにあいつを送り出した。

けいこさんは、あいつと一緒にいるところを近所の奥さまに見られた。

しかし、そんなことはおかまいなしに、けいこさんとあいつはイチャイチャしていた。

あいつを送り出した後、家に入ろうとしていたけいこさんは近所の奥さまに呼び止められた。

近所の奥さまは、多少あつかましい声でけいこさんに言うた。

「けいこさん。」
「ああ、奥さま…おはようございます。」
「おはようございますじゃないわよ!!あんたは何を考えて行動しているのよ!?」

奥さまの言葉を聞いたけいこさんは、キョトンとした表情で『奥さま、どうかなされたのですか?』と言い返した。

奥さまは、なおも怒った口調でけいこさんに言うた。

「けいこさん!!今日の深夜1時過ぎに、佐古駅の近くの通りで短大生が目だし帽をかぶった男にシツヨウにレイプされてボロボロに傷ついて恥ずかしい姿になったあと行方不明になった事件が発生したのよ!!その時間帯に、あんたは男とイチャイチャしていたみたいね!!」
「奥さま…」
「けいこさん!!(けいこさんの娘さん)さんはゆうべ深夜のバイトだったわね…深夜0時に終わるのならばタクシーが家の前に止まっていたはずよ…今日に限って言えばタクシーが止まっていなかったけど…アレどう言うことかしら!!」
「奥さま、佐古駅のガード下で発生した事件とうちの娘がどう言う関係があるのですか?」

「あんたね!!男をつまみ食いするのもいいかげんにしなさいよ!!サキヤマさんの奥さまから聞いた話なのだけど!!深夜3時頃に、レイプの被害を受けてボロボロに傷ついた短大生を目撃したのよ!!その時にけいこさんの家の玄関の戸を何度も叩きながら『お母さん!!家に入れて!!お母さん!!お母さん…』と何度も叫んでいたのよ!!それなのにあんたは男とイチャイチャしていた!!」
「奥さま!!言いがかりをつけるなんてあんまりだわ!!」

けいこさんが言うた言葉に対して、近所の奥さまはわなわなと声を震わせながら『許さないのはアンタの方よ!!』と言い返したあと、けいこさんが傷つく言葉をボロクソに言うた。

「あんたは初めから母親失格だったのよ!!娘が助けを求めているのに娘の声に耳をかたむけなかった!!男がほしくなったらところ構わずにあさりまくる!!…その結果、娘さんがきついはずかしめを受けた…娘さんが苦しい思いをしたことを見過ごした…あんたは娘さんの100倍以上のきついはずかしめを受けるのよ!!」
「奥さま!!やめて下さい!!」
「なーにがやめてくださいよ!!あー、そう言えばサキヤマさんの息子さんがケーズデンキに勤務していたようね…けいこさんとイチャイチャしていた男の人はケーズデンキに勤務していたよね…」
「やめてください!!」
「アタシの知り合いに、ケーズデンキの本部のお偉いさんがいるのよ…本部のお偉いさんにあんたと一緒にいた男のことをチクろわい…そうなったら、あんたと一緒にいた男は懲戒免職処分《ソッコククビ》になるわよ…」
「やめて!!ひろみちさんをクビにしないで!!」
「ひろみちさん…ああ、阿南市の店舗で働いている人ね…まあうちがチクらなくても自動的にアウトになるわよ…その時、あんたとあんたの親類縁者はこの世で生きていくことができなくなるわよ…いいきみだわ…オーッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッ〜」

奥さまは、高嗤《タカビーわら》いをあげながらけいこさんをイカクした。

近所の奥さまからどぎついイビリを受けたけいこさんは、その場に座り込んで激しく泣いた。

その一方で、娘さんの婚約者の男性は、娘さんがレイプの被害を受けたことを苦に車内にジュウマンした排気ガスを吸って命を絶った。
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