【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第85話】

10月２日の早朝６時頃に深刻な事件が発生した。

ところ変わって、高松市屋島西町の下水処理場の敷地内にて…

下水処理場の敷地内に、香川県警《けんけい》のパトカー10台がけたたましいサイレンを嗚らした状態で停まっていた。

この時、アタシは深夜のバイトを終えたところであった。

アタシは、ことでんの電車に乗って沖松島駅へ向かった。

電車を降りたあと、駅からのんびりと歩いて海の方へ向かった。

その時に、アタシは例の現場付近を通りかかった。

現場の近くで暮らしている住民に聞いたところ、19歳の女性の遺体が発見されたと言うことであった。

女性は、ボロボロに傷ついて恥ずかしい姿で亡くなっていた。

香川県警《けんけい》の鑑識警察官による現場検証の結果、亡くなった短大生の女性の死因は飢え死と判断した。

女性の身元は、徳島市庄町で暮らしている女性と聞いた。

もしかしたら…

けいこさんの娘さんかもしれないわ…

「課長、短大生の身元が分かりました。」
「ごくろう。」

若手の刑事は、短大生の女性の学生証が発見されたと課長に報告した。

亡くなった短大生の女性の身元はアタシが思った通りにけいこさんの娘さんだった。

ウソでしょ…

そんなのウソでしょ…

徳島から高松まで、どうやって来たのよ？

アタシの頭は、サクラン状態におちいった。

この時、現場の死角にももけた腹巻き姿の竹宮《たけみや》がいた。

竹宮《たけみや》は、アタシがいた事を感知したのでその場から立ち去った。

アタシは、再びことでん沖松島駅へ歩いて向かった。

その時であった。

アタシは、とんでもない光景を目のあたりにした。

詰田川橋《つめたがわばし》の手前の道路にマゼンタのダイハツタントが左右の黄色いウインカーを点滅させた状態で停車していたのを見た。

不審に思ったアタシは、車に接近した。

そしたら…

車の中であいつとけいこさんがいやたいことをしていた…

思い切りブチ切れたアタシは、赤茶色のバッグの中からスマホを取り出した。

そして、ふたりがいやたいことをしている様子を動画カメラで撮影した。

車の中にて…

あいつとけいこさんは、いやたい声をあげながら求めあった。

「娘さんが、下水処理場の敷地内で亡くなったよ…」
「(けいこさんの娘さん)がなくなったのね…フフフフッ…」

けいこさんは、娘さんが亡くなったのにニヤニヤとした表情を浮かべていた。

けいこさんは、勝ち誇《ほこ》った表情で言うた。

｢これでジャマがいなくなったからせいせいしたわ…｣

けいこさんの言葉を聞いたアタシは、怒りに震えた。

このあと、あいつは運転席に座っているけいこさんに抱きついてキスした。

その後、あいつはシートを倒しながらけいこさんが着ている紺とパープルのアーガイールのポロシャツのボタンを外して、インナーをあげたあと、ふくよかな乳房に甘えながら泣きそうな声でけいこさんに言うた。

「けいこ…オレと再婚してくれ…オレのそばにいてくれ…」
「よしよし…よしよし…ひろみち…よしよし…」
「オレの子供を産んでくれ〜」
「アタシは、ひろみちのお嫁さんよ…とし子さんとさおりさんのことはきれいに忘れて、アタシだけを愛して…」
「けいこ…」
「ひろみち…」

けいこさんのいやたい泣き声が車の外から思い切り聞こえた。

怒りに震えているアタシは、最後のシーンまできっちりと録画した。

最後のシーンまで録画したアタシは、怒りながら立ち去った。

けいこさんは…

アタシやさおりさんのことを想いきりブジョクした!!

あいつは、女をおもちゃにするだけおもちゃにした!!

絶対に許さない!!