【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第92話】

時は、４月29日の早朝７時頃であった。

この日は、まさおさんが大学で知り合ったカノジョを紹介してもらう予定であった。

しかし、あいつは会社と一緒に黒潮カントリークラブへ行くことになった。

ゴルフコンペに出席する予定だった人がお孫さんのお遊戯会に行くことになったので、代わりに出席してほしいと頼まれた。

あいつは、仕方なくゴルフに行くことになった。

あいつは、疲れた表情で重いゴルフバッグを持って門の前に止まっていたハイヤーのトランクにゴルフバッグを積みこんだ。

その後、後ろの席に乗った。

お迎えに来たあいつの上司の男性は、もうしわけない声でアタシに言うた。

「奥さま、もうしわけございませんでした。」
「いえ、いいのです…あなた…気持ちよくゴルフを楽しんでね。」
「そうだよ(ダンナ)くん…お天気もいいし、最高のゴルフ日和よ…」

その後、車は家の前から出発した。

車は、海岸沿いの県道を通って芸西村にある黒潮カントリークラブへ向かった。

結局、きょうの予定はアタシひとりで対応することにした。

ところ変わって、黒潮カントリークラブにて…

重いゴルフバッグを背負って歩いているあいつは、敷地内にある土佐ロイヤルホテルへ向かった。

この時、同じ敷地内にあるチャペルでは結婚式が行われていた。

結婚式を見たあいつは、表情が曇った。

今日は、まさおが大学で知り合ったカノジョと会って、あいさつをする予定だったのに…

まさおに申し訳ないことをした…

この日をさかいに、アタシとあいつの気持ちの負担が大きくなった。