アンコール マリアージュ
サプライズウェディングですか?!
「真菜ー。ネットで予約された新規のお客様、あなたが担当してくれる?」

真菜は、はーいと返事をして、久保から書類を受け取る。

(えっと、なになに…。田辺(たなべ) 和之(かずゆき)様と田辺 知美(ともみ)様。年齢は、50才と49才。うーん、再婚の可能性もあるかな。名字が同じって事は、既に入籍済みなのね。あら?他の欄は真っ白ね。とにかく会ってお話してみなくちゃ)

予約時間に現れた田辺夫妻を、真菜と美佳は笑顔でサロンに迎え入れる。

「田辺様、この度はご結婚、誠におめでとうございます」

すると二人は、戸惑った様に手を振った。

「あ、いや、その、私達は違うんです」

はい?と真菜も美佳も、目をパチクリさせる。

「実は、その…。娘夫婦に、結婚式を挙げさせてやりたくて。そういうのって、こちらで出来るのかなって、ご相談したくて来たんです」
「あの、詳しくお聞かせ頂けますか?」

真菜の言葉に頷いて、二人は説明を始めた。
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