アンコール マリアージュ
結婚式も2度目なら?!
桜の花が満開となった春。

真菜と真の結婚式が、フェリシア 横浜で執り行われた。

チャペルの扉が開き、真菜のウェディングドレス姿を見た真は、その美しさに目を見張る。

チュールエンブロイダリーをスカートに重ねた、最高級のミカドシルクのドレスはノーブルで、真菜の純粋さと相まってとても輝いていた。

デコルテが綺麗に見えるオフショルダーで、胸元のビジューも、華やかにキラキラと輝いている。

真菜と真は、互いに試着姿を見せず、挙式のこの瞬間に初披露する事を楽しみにしていたのだ。

父親と腕を組んでゆっくりとバージンロードを歩きながら、真菜は1年前の事を思い出す。

思いがけず、まだどこの誰とも分からなかった真と腕を組んで、このバージンロードを歩いた事。

小さい頃からの夢が壊れてしまう様で、悲しい気持ちになった事。

でも今は違う。

こんなにも幸せな気持ちで胸を一杯にさせながら、愛する人と結婚式を挙げるのだ。

ずっと憧れていた夢が叶うのだ。

そう思っただけで、涙が溢れてくる。

やがて真の前まで来ると、父と真は深々とお辞儀をした。

「真さん。あの時はあんな事を言いましたが、真菜は、私達家族が永久保証致します。娘を、どうかよろしくお願い致します」
「ありがとうございます、お父さん。私は生涯かけて、真菜さんを幸せにします」

笑顔で頷いてから、父は真菜の手を真に託した。

「真菜、お前はずっとお前のままで、真さんと幸せになるんだぞ」
「ありがとう、お父さん」

瞳を潤ませる真菜の手を、真はそっと握り締める。

二人は見つめ合うと、照れたように笑った。

「真菜、本当に綺麗だ」
「真さんも。とってもかっこいい」

そして二人はゆっくりと祭壇へ上がった。
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