私にできること




夜6時45分。



そろそろ来る頃だと思って、私は病室の前で待っていた。



そして、それから5分もしないうちに、エレベータのほうから彼らの姿が現れた。



昨日電話をくれた木下さんが、私を見つけて軽く手をあげた。



「こんばんは」



会うのは結婚式のとき以来だけれど、いつ見てもイケメンだ。



後ろから続く3人は、ニコさん、北岡さん、ヒロさん。



ニコさんは、本当はたしか「岡田」とかいう名前だけど、真剣なときでも笑っている顔に見えるからニコと呼んでいる、と前に彼が話してくれたことがある。



今日も、ニコニコしていた。



「リクエストのプリン、持ってきたよ」



と紙袋をちょっと上にあげてみせたのは、北岡さん。



この人は世間ではものすごいイケメンで通っていて、社内でもモテモテらしい。



でもちょっと濃い顔なので、私はあまりタイプじゃない。



私はどちらかというと、木下さんみたいな、端整な顔立ちのほうが…あ、いや。



私のタイプは、旦那さまなわけだけど。





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