極上イケメンと溺甘同居。 〜何もかも失った私が、イケメン建築士に毎日愛された結果。〜


「……では、お気をつけてお帰りください〜」


 いつもと同じ、挨拶のアナウンスをして参加者さんを見送る。笑顔で帰って行く人もあれば、またダメかーといった表情で帰っていく人もいる。
 そんな人たちを笑顔で見送っていると「せーんぱい!」と肩を叩かれた。


「美園ちゃん……元気だねぇ」

「はい! 元気ですよー。先輩は、どんよりですねぇ〜可愛い笑顔が怖いです」


 美園(みその)ちゃんは、大学生のアルバイトとして働いてくれている二十一歳だ。学校終わりの夕方からシフトに入っていてほとんど司会業務をしている子である。彼女の教育係をしていたこともあり、同じシフトになるといつもこうやって話をしているくらい仲良しだ。


「先輩、何かありました?」

「え、何もないけど……そう、見える?」

「うん。見えますよ。いつもの感じがないですし、あっそういえば、彼氏さんとはどうなったんですか?」


 美園さん、相変わらず鋭いなぁと思いながら「……うん、別れたよ」と頷きながら言った。


「そうなんですね! やっぱり。でも、別れて正解ですよ。先輩みたいないい女性は、あんな男にはもったいないです」

「あはは……どうかな」

「えぇ、そうですよ。あーゆー浮気男は、女の敵ですし!」

「まぁ、それは言えるよね。浮気は……許せないけど、でも時間を無駄にした感じが拭えない。でも浮気男と縁が切れてよかったのかな」


 私が別れたという相手は、学生のことから付き合っていた彼氏のことだ。もうすぐ結婚とかを考える時期にきたっていうのに、浮気をされた。しかも若い女の子と……なんか色々考えていたら、どうでも良くなってきて、別れを切り出して捨てた。同棲していたし、その部屋も出てきて今は長期滞在できるホテルで暮らしている。



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