転生公爵令嬢のイチオシ!

「メリア!!」

「お、お兄様?」

お、恐るべしキラキラ遺伝子!
この妹の兄と分かる美しすぎるお兄様。
銀色のサラサラの髪に、煌めくの翠色の瞳…睫毛長ッ!
バランスの良すぎる顔のパーツ!
スラリとした高い身長。手足長くてスタイル良すぎッ!
お人形の兄!納得しました!私達は兄妹です!!

「ああっ!私のメリア!」

美麗お兄様に抱きしめられた!
香りまで良い!

「いたた!」

「ごめんよ!メリア!」

慌てて離れるお兄様。

「階段から落ちたと聞いたよ!大丈夫か!?」

めちゃくちゃ心配そうなお兄様。

「は、はい。肩と腕に痛みが。あと足を捻挫して…おります…?」

お嬢様らしく喋れてますかー?
リエッタをチラ見する。

「……」

リエッタはなんとか頷いてくれた。

「っ!!それは大変だ!!すぐに屋敷に帰ろう!!」

美しいお兄様にお姫様抱っこされた。
こ、これがお姫様抱っこというやつですね!
私を軽々と持ち上げているお兄様!!
逞しいのですね!!
格好いいー!

こんな機会はそうそうないだろうとお兄様の首にギュッと腕を回す。

「怖かったんだねメリアーナ。私がついているから」

お兄様もギュッと抱きしめてくれた。
そして足に上着も掛けてくれる紳士!

「ありがとうございます。お兄様」

「君は確かマクラナ伯爵家のご令嬢でしたね。メリアーナについていてくださり、ありがとうございました。このお礼はまた後日必ず」

「クリスク様。とんでもございませんわ。メリアーナ様がご無事で良かったですわ。お怪我が早く治りますように」

では午後の授業に戻りますとリエッタは出て行った。
お嬢様らしい綺麗なお辞儀をして。

あれ、私もやってたんだよね。きっと。
できる自信がないわ。

私の荷物はクリスク家でお兄様付きで働いているというアルトさんが取りに行ってくれていた。
私達が早退することも伝えてくれているようだ。

さて、家に…いや、お屋敷に帰るけど、大丈夫かな?
めちゃくちゃ不安!!

…しかも馬車だと?
え、待って!
遊園地じゃなくて!?
乗ってみたい!!

初馬車はお兄様に抱っこされたままだった。
さすがお嬢様の家の馬車は豪華な造りである。
それがまたこの兄妹に似合っている。

家…お屋敷に帰るのはとても緊張していたはずなのに、初馬車に乗ってしばらくした後、私はいつの間にか眠ってしまっていた。それはもうぐっすりと。
記憶の混乱は精神的にも負担が大きかったようだった。
その様子を見ていたお兄様がかなり心配してずっと抱きしめてくれていた。

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