転生公爵令嬢のイチオシ!

《次はこちらに移動して下さい!》

私がいる牢のセットにわりと近いわ。
細長い机に用紙が数枚並んでいるのが見える。
次は何なの!?

レイ様が長机の前に移動した。
そのあとにレイ様が里英ちゃんに向けて手を上げて、何か話をして私に向かって走ってきた。
私は急いで牢の鉄格子の前に移動する。

「これ持っておいてくれる?メリアーナ」

制服のジャケットを牢の鉄格子の隙間から入れて私に手渡す。
ここまで運動すると思わないものね。
レイ様の汗がすごいわ。

「はい。お預かりいたします。レイ様頑張ってください」

ジャケットを受け取り、私も鉄格子の隙間から手を伸ばしてハンカチでレイ様の汗を拭った。

「ありがとう」

レイ様が嬉しそうに笑って長机のところに戻って行った。

《とても微笑ましいやり取りでしたね!》

『キャアー!』『ヒュー!』と歓声が上がる。

もう!里英ちゃんってば!!

《次は我がクラスの女王に変わります!》
《失礼いたします。数学の女王ことサナエラでございます》
《ここに並んである用紙には私が考えた問題と、我がクラスの選抜メンバーが考えた問題が各1問ずつ書いてあります! 》
《すべて解いてクリアしてください》
《間違えたら違う問題で最初からやり直しです。ではスタート!》

早苗様までこのゲームに参加してる!
問題を解いているレイ様の前に待機して不敵な笑みを浮かべているわ!
早苗様、楽しそう…。

解き終わったレイ様が問題用紙を女王に提出した。

《むっ!正解です》

女王の眉がピクリと動いた。
次の問題をレイ様が解いてまた女王に渡す。

《くっ!正解です!》

次も解いて女王に渡す。

あんなに早苗様が悔しそうにしているということは、難しい問題なのよね?
正解続きなんてすごいわ!

《なっ!正解です!》

あ、次の問題はレイ様が少し考え込んでいるわ!

《ストライブ様、降参されますか?》

ニヤリ顔の女王様はとても嬉しそう。
あっ!レイ様が問題を解き終わったわ!

《むっ!この大学入試問題だったものが解けるわけ……くっ、正解です》

え?前世の大学入試問題だったってこと!?
かなり難しそうだったのに正解したわ!!
そしてまた次の問題を解きゴールにたどり着いた!

《すべて正解です……》

早苗様は紙の束を握りしめて悔しそうに震えている。
女王敗れたり…。

フゥと息をはくレイ様。
すごい!女王に勝ったわ!!


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