転生公爵令嬢のイチオシ!
これからも永遠に

家族や屋敷の皆がとても心配していて、しばらく学園は休んでいた。

あれからレイ様は毎日お見舞いに来てくれていて、いろいろな話をしている。
イチオシ堂の話をこの姿のレイ様とするなんて不思議な感じね。

「フフッ。それは私もだよ」

「そういえばレイ様、学園祭の時のパネル破りは迷わず『大福』のBを選んでましたね」

「そりゃあ、芽衣ちゃんは大福でしょ?」

「はい。大好きでしたから!でもレイ様が砂まみれになったらとヒヤヒヤしました」

「パネル破りのゲームの後に『こちらこそありがとう』と言っていたのはどうしてですか?」

ちょっと気になっていたのだ。

「あの問題を聞いたときには、芽衣ちゃんがマスコットのことだけじゃなくて、イチオシ堂の和菓子のことも思い出していてくれているんだなと嬉しかったんだ」

「そうだったんですね…」

「そして、私のことも覚えていてくれて嬉しいよ」

向かいのソファーに座っていたレイ様が私の隣に移動した。
私の頬に手を添えて愛おしそうに微笑む。

「次は正式にご挨拶に伺うから…。そうしたら君は私の婚約者だ」

抱きしめられてレイ様の喜びが伝わってくる。

「…はい」

私も嬉しい。
レイ様の背中に手を添える。

「レイ様…。私を、そして、芽衣を見つけてくれてありがとうございました」

「…芽衣ちゃん」

しばらくしてそっと離れたレイ様が私を見つめる。
レイ様の顔が近づいてきた…。
こ、これって!!
もしかして!!
恥ずかしくて俯いてしまった!

レイ様はクスリと微笑んで私のおでこにキスをしてくれた。

「ではまたね、メリィ」

「は、はい…」

赤い顔でソファーにパタリと倒れる。
想いが通じ合ったレイ様は前より雰囲気がとても甘い。
私はそのたびに慌てちゃうけどレイ様が私に合わせてくれている。


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