転生公爵令嬢のイチオシ!

今日から学園に復帰する。
学園に向かう為に美麗お兄様と一緒に馬車に乗った。

「メリア。本当に体は大丈夫なのか?まだ休んでいていいんだよ」

「まぁお兄様。本当に大丈夫よ。心配してくださってありがとうございます」

美麗お兄様が心配そうに見ている。
今日も麗しい。
そして、この前に堪能できなかった馬車ー!
芽衣の記憶が戻ってからは初めてゆっくり乗れた馬車!
すごいわ!!
街並みはヨーロッパ風に見える。
窓の外の景色も日本とは全っ然違うわ!
メリアーナは何度も乗った馬車に何度も見ている景色だけど、芽衣としては驚くことしかできないわ!

「その包みは何?」

「これはお礼のお品ですわ。我が家の料理人に焼いてもらったクッキーです。私を保健室まで運んでくださったのは、ひとつ上の学年のストライブ侯爵家の方だったそうです。なのでお礼をして、お菓子もお渡しするつもりです」

お父様にもお伝えしてある。
公爵家からもストライブ侯爵家へお礼をしてくれるとのことだ。
報・連・相は大事よ!
お兄様にも説明する。

リエッタへの家を通してのお礼はもうしてある。
今日は里英ちゃん用のクッキーも持って来た。

「…そう。ストライブ侯爵家のレイ様が」

ピクリと兄の笑顔が引きつった。

「はい。まだお礼をお伝えできておりません。初めてお会いするので緊張しますがリエッタ様と一緒に行ってまいります」

メリアーナは社交的なタイプではなく、かなり人見知りなお嬢様だ。
免疫がなさ過ぎて初対面の人と上手く喋れないのだ。
過保護な父と兄に無理はしないでいいと言われていて、パーティーにもあまり行かなかった。
そして、やっぱりクラスのみんなともあまりうまく馴染めていないようだった。
里英ちゃんが同じクラスで良かった!

「そうか。では私も一緒に行くよ。大切なメリアを保健室まで運んでくれた方だ。私からもお礼をしなくては」

「お兄様!本当ですか!私、上手にお礼をお伝えできる自信がなくて…。不甲斐ない妹で申し訳ございません」

「可愛いメリアのことなら私が行くのは当然だよ」

お兄様!頼りになるー!

学園に着いて馬車から降りる。
美麗お兄様のエスコートだ!
美しい銀髪が陽に当たってキラキラ輝く。
笑顔が素敵。
私の兄!美しすぎる!!
前世だったら美しすぎる◯◯って何かで活躍できそうね。
いや、やっぱり俳優さんかモデルさんかしら?

登校中の生徒達がチラチラこちらを見ている。
お兄様ってばモテモテなのね!
そりゃそうか。

お兄様がそのまま手をギュッと繋いで歩き出す。
本当に仲が良いのね。
ニコニコしながらそのまま歩いていると声を掛けられた。

「クリスク様、メリアーナ様、ごきげんよう」

里英ちゃんだ!

「ごきげんよう、メリアと仲良くしてくれてありがとう」

「ごきげんよう!リエッタ様!」

こちらも挨拶をする。

「ではあとで迎えに来るよ」

私の教室まで送ってくれたお兄様はチラリと教室の中を見てから去って行った。

「あとでどちらに行かれるの?」

「ストライブ様にお礼をお伝えすることをお話したら、お兄様も一緒に行ってくださると」

「そう。メリアーナ様のことが心配ですのね」

「優しいお兄様だわ!」

ニコニコしながら自分の席に座る。

「そうね」

教室を去る時はメリアーナを見て頬を赤くしている令息達を睨んでたけどねとリエッタは思った。

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